高血圧とは
私たちの血圧は、日常生活のちょっとしたこと(からだを動かす、緊張する、寒さを感じるなど)で上昇します。
こうした一時的な血圧上昇は、高血圧とはいいません。
高血圧とは、血液が血管を通る際に血管壁に与える圧力が正常より高く、慢性的に続く状態のことをいいます。
どうして血圧が高いと、いけないのか
血管の壁は本来弾力性があるのですが、高血圧状態が長く続くと血管はいつも張りつめた状態におかれ、次第に厚く、しかも硬くなります。
これが高血圧による動脈硬化で、この動脈硬化は、大血管にも、小血管にも起こり、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、大動脈瘤、腎不全、眼底出血などの原因となります。
したがって、こうした合併症を予防するためには、高血圧にならないように注意し、既に高血圧の人は血圧を正常化することが必要です。
高血圧の原因は
高血圧の人の大部分は、血圧を上げる原因を特定できない「本態性高血圧」というタイプです。
腎臓や神経系などの何らかの遺伝的な異常に、塩分の摂りすぎや過食などの生活習慣・環境の要因が加わって起こります。
患者さんの数は少ないのですが、血圧を高くする明らかな原因があって高血圧になっている場合もあり、「二次性高血圧」といいます。
内分泌の病気や腎臓の病気などが該当します。
二次性高血圧では多くの場合、その原因となっている病気を治療すると、血圧が下がります。
血圧の測定方法
検査の基本は血圧測定です。
血圧は時々刻々と変化していますから、現在では診察室よりも、同じ時間帯に同じ状態で測定される家庭血圧が、合併症を予防する上で重視されています。
高血圧で治療を受けている患者さんは、家庭での血圧をできるだけ毎日測定し、診察のたびに家庭血圧を記録した手帳などを持参すると、治療に非常に役立ちます。
高血圧の治療
高血圧の治療では、まず生活習慣を見直すことから始めます。
そうしないと治療効果が上がらないば かりか、高血圧以外の生活習慣病や合併症が進行してしまうからです。
生活習慣を見直しても十分に血圧が下がらない場合は、降圧薬が処方されます。
降圧薬にはいくつかの種類があり、病状に応じて処方されます。
高血圧患者さんの日常の注意点
1.塩分制限:一日6g
2.野菜、果物を多く摂取しコレステロールや飽和脂肪酸を控える(腎不全、糖尿病のある人は注意)
3.適正体重の維持:BMI=体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)が25を超えない
4.運動療法:30分以上の有酸素運動(心臓病のある人は注意)
5.アルコール制限:日本酒なら1合、ビールなら500ml
6.禁煙