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花粉症

花粉症の原因

花粉症の約70%はスギ花粉症だと考えられています。

これはわが国には全国の森林の18%、国土の12%をスギが占めているためでもあり、関東や東海地方ではスギが中心になります。

スギ花粉は、年初から飛び始めて3月にピークを迎えて5月くらいまで飛散します。

症状について

花粉が鼻に入ると、直後にくしゃみ、鼻 汁が生じ、少し遅れてから鼻づまりの「即時相(そくじそう)反応」が生じます。

目に花粉が入ると早くから目がかゆくなり、涙が流れ、目が充血してきます。

症状が強いときは、鼻で吸収されなかったスギの抗原成分が鼻から喉へ流れ、喉のかゆみ、咳を生じます。

また鼻づまりによる頭痛、鼻や喉の炎症反応による微熱、だるさなどの症状に悩まされます。

家の中にいるときなど、花粉がない状態でも症状はありますが、多くは 花粉の繰り返しの吸入による鼻づまりの症状が主体です。

これをアレルギー反応の「遅発相(ちはつそう)反応」と呼び、アレルギーの細胞から放出 されるロイコトリエンなどの物質が神経や血管を刺激するために症状が現れます。

鼻の粘膜の知覚神経が刺激されるとくしゃみが起こり、その反射で鼻汁が出ます。

鼻づまりは、血管の拡張と血管からの水分の放出により鼻が腫れるために起こり、目のかゆみはヒスタミンなどが神経を刺激する ために起こります。

症状が起こる時期は人によってさまざまです。

花粉が飛び始めるとすぐ症 状が出てくる人もいれば、花粉がたくさん飛ばないと症状が出てこない人もいます。

症状の強さも同様で、軽い人もいれば重い人もいます。

その年に飛散する花粉数によって花粉症の症状の強さが変わりますので、花粉の飛散数 が少ないときには、花粉症の症状が全く出ないこともあります。

治療について

薬物療法では鼻水を抑える抗ヒスタミン薬の飲み薬や、鼻の炎症を抑える点鼻ステロイド薬、鼻づまりを改善する作用があるロイコトリエン受容体拮抗薬などが用いられます。

抗ヒスタミン薬は眠気などの副作用がありますが、近年は眠気の出にくい薬もあります。

目の症状には、花粉に曝露して生じる各種の化学伝達物質(ケミカルメディエーター)に対するメディエーター遊離抑制薬や、抗ヒスタミン薬の点眼薬が用いられます。

初期療法について

花粉症は、一般に症状が悪化すると薬の効果が得られにくくなりますので、症状が軽いうちに症状を抑える薬を使い始める「初期療法」が勧められています。

初期療法とは、花粉飛散予測日の2週間程度前か、もしくは花粉症の症状が少しでもあらわれた時点で薬物治療を開始します。

早めに薬を使用することで、花粉の飛散量が多くなった時期でも症状をコントロールしやすくなり、症状を抑えた状態でシーズンを送ることができます。

花粉飛散時の注意

花粉の飛散シーズンは、体に侵入する花粉をいかに少なくするかが、花粉症対策の重要なポイントです。

花粉が体内に侵入しないようにすることは、花粉症の症状を軽減するだけでなく、まだ花粉症でない人にとっては、花粉症の発症を防ぐ効果が期待できます。

コンタクトレンズを使用している人は、コンタクトレンズによる刺激が、花粉によるアレルギー性結膜炎を悪化させてしまうので、メガネに替えたほうがよいと考えられています。

花粉が付着しにくい服装

外出時は、ウールなどの花粉が付着しやすい衣類は避け、綿、ポリエステルなど花粉が付着しにくい衣類を選びましょう。

また、頭と顔は花粉が付着しやすい部分ですが、帽子をかぶることで、頭への花粉の付着量を減らすことができます。

家の中に花粉を持ち込まない

建物に入る前に、衣類に付いた花粉を払い落としましょう。

うがいと洗顔

外出先から帰ったら必ずうがいを、のどに付着した花粉を除去する効果があります。

また、顔を洗うことで、顔に付着した花粉を洗い落とします。

しかし、丁寧に洗顔をしないと目や鼻の周囲に付いた花粉が体内に侵入し、かえって症状が悪化することがあるので、注意が必要です。

換気時は窓を小さく開け、時間を短く

こまめに掃除する

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